済生会総研News Vol.104
前回、日本を始め世界各国でも生じている外国人差別の状況を説明し、その原因について次の4つの原因を挙げた。
第1に考えられる原因は、外見、服装、習慣などから生じる外国人に対する違和感や警戒感である。
第2は、外国人の人格を軽視し、見下す意識から生じることがある。特に途上国の出身の人に対する場合に見られる。
第3は、騒音、大声での会話、ごみの散乱など生活環境問題や不法滞在、社会保険料や医療費の未払いなど違法行為などで外国人から被害を受けているという不満、不安から生じる。
第4は、外国人が土地、高層マンション、山林等を爆買いすることが目立つようになったが、その目的が不明瞭で、安全保障や日本経済に与えるダメージの不安から差別や排除が生じている。
日本は、人口減少社会に入り、労働力不足になる。医療や介護の分野では外国人労働力に依存せざるを得ない。またグローバル化が進展し、日本に外国人在住者は、増加する。そこで外国人差別の原因を分析し、対応策を講じ、共生社会を築くことが必要になってくる。
上記の原因のうち現下の日本では第3の原因に関心が集まる。これまでも本欄で述べてきたように外国人の違法行為、ルールやマナー違反が目立つ。多くの日本人は反感、不安、不満を抱くのはやむを得ないことで、これに対する対策が求められる。
1月18日付日経新聞は、政府が1月23日に関係閣僚会議を開催し、外国人政策を巡り在留審査や日本国籍取得の厳格化を盛り込んだ基本方針を取りまとめ、公表すると報じている。この中には医療費や税の不払い情報を出入国在留管理庁に報告し、在留更新を認めないなどの施策も講じられるという。外国人の医療費未払い問題に悩む医療機関にとって一定の効果が期待される。
また出入国在留管理事務所は、令和7年5月23日に定められた「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」に基づき不法滞在者対策を進めている。
外国人差別の一つの原因であるこの問題については、このような行政での対策に加えて、在留外国人が法律、ルール、マナーを厳格に順守することが必要である。このためには国や自治体、外国人支援団体等が日本の法律や慣習、文化を分かりやすく伝える広報や啓発活動が必要とされる。(令和8年1月16日執筆)
人材開発部門 済生会総研 人材開発部門 部門員 平井 滋
令和7年度実施の研修について
今年度開催済み及び開催予定の研修会は以下の通りです。
【開催済みの研修】
・第53回全国済生会臨床研修指導医のためのワークショップ
第53回全国済生会臨床研修指導医のためのワークショップが7月12~13日に大阪市のクロス・ウェーブ梅田で開かれ、16病院から22人が参加した。
大阪府済生会泉尾病院の平居啓治院長が主催責任者を務め、チーフタスクフォースの羽生泰樹 大阪府済生会野江病院・消化器内科特任部長をはじめ、6人のタスクフォースが中心となって研修を進行、受講者をサポートした。事務局は開催担当の泉尾病院と次回以降担当の京都済生会病院、富山病院、本部が務めた。
研修では、eラーニングによる事前学習から始まり、当日は主に臨床研修プログラムの立案、目標設定、研修方法(方略)、評価など指導医に求められる知識と技術をグループワークで学んだ。
受講者は「研修目標の設定、評価法、コーチングなど大変勉強になった。」「難しいテーマでワークショップを行ったからこそ、沢山の議論、質疑応答につながったと思いました。非常に貴重な機会でした。」「研修目標を実際に検討、作成し、その評価方法までワークショップで話し合うことで、実際の研修指導の具体例を詳細にイメージできました。」「研修医を理解し、モチベーションを上げて次世代を育成するために必要なことを学べました」と評価した。
同ワークショップは平成18年に第1回を開催。これまでの修了者は1506人に達した。
・第54回全国済生会臨床研修指導医のためのワークショップ
第54回全国済生会臨床研修指導医のためのワークショップが10月18~19日に大阪市のクロス・ウェーブ梅田で開かれ、10病院から13人が参加した。
京都府済生会病院の伊藤義人院長が主催責任者を務め、チーフタスクフォースの金原秀雄 福井県済生会病院 内科部長をはじめ、5人のタスクフォースが中心となって研修を進行、受講者をサポートした。事務局は開催担当の京都府済生会病院と次回以降担当の富山病院、中和病院、本部が務めた。研修では、eラーニングによる事前学習から始まり、当日は主に臨床研修プログラムの立案、目標設定、研修方法(方略)、評価など指導医に求められる知識と技術をグループワークで学んだ。
受講者は「研修目標の設定、評価法、コーチングなど大変勉強になった。」「難しいテーマでワークショップを行ったからこそ、沢山の議論、質疑応答につながったと思いました。非常に貴重な機会でした。」「研修目標を実際に検討、作成し、その評価方法までワークショップで話し合うことで、実際の研修指導の具体例を詳細にイメージできました。」「研修医を理解し、モチベーションを上げて次世代を育成するために必要なことを学べました」と評価した。
同ワークショップは平成18年に第1回を開催。これまでの修了者は1519人に達した。
【今後の開催予定】
・済生会全国次世代指導者研修 〔医師〕
日 程:令和8年1月30日(金)~31日(土)
会 場:済生会本部会議室
同フォローアップ研修
日 程:令和8年3月11日(水)(オンライン)
・令和7年度臨床研修管理担当者研修会
日 程:令和8年2月14日(土)
会 場:滋賀県立体育館
・令和7年度済生会研修医のための合同セミナー
日 程:令和8年2月14日(土)
会 場:びわ湖大津プリンスホテル
・医療技術者マネジメント研修会
昨年度までの薬剤部(科・局)長研修会、医療技術者(PT・OT・ST)マネジメント研修会を統合して開催する予定。
日 程:令和8年3月(予定)
会 場:済生会本部会議室
研究部門 済生会総研 上席研究員 原田 奈津子
インクルーシブ社会に関するシンポジウム参加報告
人権文化を育てる会主催の第26回シンポジウム「SNSの影響力の増大、“対立”と“深刻な分断”が進む日本社会への処方箋 ~人権委員会の創設~」に参加しました。このシンポジウムは人権週間に行われてきたもので、2025年度は12月5日(金)に衆議院第一議員会館の会議室において実施されました。今日の日本社会では、SNSでの差別的書き込み拡散など、悪質な人権侵害が様々な形で頻発しており、そういった事案に迅速かつ有効に対処するため、ADR(裁判外紛争解決手続)機能を有する制度の創設の必要性について考えるという内容でした。シンポジストの方々の取り組みや、またフロアを含めた当事者の立場からどういうことが暮らしの中で起きてきたのかをうかがうことができ、いろいろと考えさせられました。SNSの活用でバズるためや収入源としての動画投稿への対応や、情報の精査をするリテラシー能力の醸成など、暮らしの中にある課題として、考えたいと思いました。
インクルーシブ社会、つまり、ソーシャルインクルージョンを基本理念として、すべての人々が差別や排除、孤独や孤立から援護され、社会の一員として人権が尊重され、支えあう生活の場やコミュニティを実現するにはという一貫した視点でのシンポジウムは貴重だと感じました。
―編集後記―
2026年になりました。どんな年なのか調べてみました(OpenAI ChatGPT の回答、1月16日取得)。
① 第 25 回 冬季オリンピック(ミラノ=コルティナ 2026)
② FIFA ワールドカップ 2026(アメリカ合衆国・カナダ・メキシコ)
③ アジア競技大会(愛知・名古屋 2026)
大きなスポーツの大会が続くようです。また、スポーツ以外の注目点として、以下の事柄が挙げられていました。
・AI(規制と企業導入、著作権・偽情報・安全保障が争点)
・宇宙(衛星通信・デブリなど利用拡大とルール整備)
よりよい年になるよう祈るばかりです。 (Harada)
PDFファイルをご覧になるためには Adobe Reader が必要です。
お持ちでない方は、
Adobe Readerをダウンロードしてください。