次の100年へ、先人の想いをつなぐ
一人ひとりの幸せを守るために

済生会は「社会の最終ライン」を守るという気概を持って、3つの基本的使命(生活困窮者への支援、地域医療への貢献、総合的な医療と福祉サービスの提供)を遂行していきます。

済生会は、明治天皇による「済生勅語」によって設立され、「施薬救療の精神」に基づく生活困窮者の救済を使命としています。生活困窮者を救済するための社会保障制度が整う今日においても、現実的には、救済しきれない新たな複雑化した問題を抱える生活困窮者は存在しており、更にはその存在自体が埋もれている生活困窮者も存在しています。
そのような環境下においてこそ、本会は3つの基本的使命を、時代の変化を踏まえながら的確に果たし続けていく必要があります。しかしながら使命を果たすためには、経営基盤を安定させる必要があり、両者を両立させるための研究と両者の両立を支える人材の確保・育成が急務となっているのです。

済生会総研News Vol.27

済生会総研の視点・論点 済生会総研 所長 炭谷 茂
第26回 科学技術革新と社会保障

 NHKテレビの日曜日夜11時から放映されていたドラマ「女王ビクトリア・愛に生きる」は、史実に基づいていたので、当時のイギリスの状況を知ることができ、面白かった。
 1815年、イギリス農業を保護するため、ヨーロッパ大陸からの穀物の輸入を制限する穀物法が制定された。この保護貿易政策で国内の穀物の価格は、上昇し、都市で働く労働者の生活を苦しめた。
 そのころイギリスは、産業革命が起こり、綿工業を中心に経済は発展した。「パックス・ブリタニカ」と呼ばれ、栄華を謳歌していた。イギリスの権力は、徐々に農業生産を支配する地主層から産業資本家に移行し始めた時期である。
 産業資本家は、自由貿易の旗の下、外国への輸出を拡大する見地から穀物法の廃止を求めた。冷害による国内の穀物価格の高騰に苦しむ労働者も、同様な要求をした。
 ドラマでは、ビクトリア女王は、飢餓に瀕し、餓死者を多数出しているアイルランドの住民の窮状に苦悩する。クライマックスのシーンだ。女王は、「君臨すれども統治せず」の不文律と葛藤しながら、廃止に向けて首相に働きかけた。穀物法は、1846年に廃止された。
 もっとも穀物法の廃止の原因は、女王の行動ではなく、イギリスの産業構造が農業から工業へと転換したことが、歴史の真実なのだろう。
 産業構造を転換させたのは、18世紀に発生した産業革命である。綿織物機械の技術革新、ワットによる蒸気機関の改良開発、トレビシックの蒸気機関車、フルトンの蒸気船の開発と続く科学技術の革新が、産業革命を導いた。
 今日では科学技術の革新が、産業分野だけでなく、軍事、社会、生活、人間の意識などに決定的な影響を及ぼすようになった。現在の米中対立は、根底には科学技術競争がある。
 今日の科学技術の進歩は、以前よりはるかに急速になった。国家を挙げて振興策に取り組まなければ、あっという間に他国に後れを取る時代である。科学論文数のシェア率は、2005年まで日本は2位であったが、今では5位に落ちた。現在の順位は、首位からアメリカ、中国、ドイツ、イギリスと続く。研究費、研究環境などが反映した結果である。このままだと日本の国力は、徐々に衰退しかねない。
 ことに現在重点が置かれる研究開発は、医療や高齢化対策など社会保障に密着する分野が大きな比重を占めている。どの国が最初に成果を出すかが、病気の治療や高齢者の生活の向上に直結するとともに、医療費など国民の負担に影響する。
 日本は、これらの分野では研究開発にとって必要な課題の提起やビッグデータの集積などで有利な立場にある。済生会は、この面で貢献できることがたくさんありそうだ。

研究部門 済生会総研 研究部門長 山口 直人

「済生会病院医師の働き方の実態と今後の在り方に関する研究」を終えて

 本研究は日本医療経営実践協会の研究補助を得て2018年に開始し、本年4月には研究報告書を済生会内外に発表した(報告書は済生会総研ホームページからダウンロードできます: (http://soken.saiseikai.or.jp/reports/)。済生会80病院の病院長には施設調査に協力いただき、2,353名の常勤医師には医師調査への協力をいただいた。ここに深く感謝申し上げます。
 医師の働き方改革に関する議論は、2017年3月に働き方改革実現会議が決定した「働き方改革実行計画」から始まる。実行計画には、医師も時間外労働規制の対象とすること、応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要であることから、改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用すること、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し結論を得ることなどが記載されており、これを基に厚生労働省に「医師の働き方改革に関する検討会」が設置され、本会福岡総合病院の岡留健一郎名誉院長も委員として参画して、2019年3月に報告書が取りまとめられた。
 議論が始まった当初には、医師の労働時間に上限規制を設けることは地域医療の崩壊を招くという強い懸念が出された。これに賛同する意見が特に医療界で強かったが、日本医師会「医師の働き方に関する検討委員会」報告書にも明記されたように、地域医療の継続性の確保と医師の健康への配慮は二者択一の問題ではなく、2つを両立することが重要である。
 そこで問題になるのが、実態として我が国の勤務医師がどの程度の時間外労働を行っているかという点であるが、十分なデータが存在していなかった。済生会病院は中・小規模から大規模病院まで全国の様々な地域に立地しており、我が国の病院が置かれている状況を良く反映していると考えられることから、我が国全体の医療の在り方の検討に資する情報を提供できると考え、済生会総研が中心となって、本研究を計画した。
 研究結果の詳細は報告書をご覧いただきたいが、いくつかのポイントを挙げると、医員、後期研修医といった若手医師の時間外労働時間が多いことは予想通りであったが、業務内容を分析すると、外来、入院の診療や検査実施、手術といった直接診療活動が全活動の65%を占めること、診療録への入力、診断書などの文書作成、退院サマリー作成といった間接診療活動が全体に占める割合が20%に達することなどが明らかとなり、労働時間縮減の方向性に示唆を与える結果を得ることができた。また、自発的な自己研鑽には、院内で週5時間程度、院外でも週4時間程度が費やされており、済生会病院の医療の質を守り、さらに高めてゆくためには、このような自己研鑽の時間に制限が生じないような配慮も必要であることが明らかとなった。
 医師の労働時間への上限規制の導入には5年の猶予期間が与えられたが、この期間は、上限規制導入に向けた助走期間と位置付けるべきであり、各病院では、労働時間の把握方法を確立し、それを基に、継続的な労働時間縮減に向けてPDCAサイクルを回してゆくことが求められている。労働時間縮減には、タスクシェアリング、タスクシフティング、ICT技術の活用といった方法論が議論されている。様々な手法の組み合わせによって労働時間縮減は可能となるであろうが、個々の病院の事情、診療科の事情などが複雑に絡み合う問題であり、病院長のリーダーシップのもと、すべての医師、医療者が参画し、さらに、事務部門が能力を発揮して、病院全体が一丸となって総力を発揮する必要がある。
 働き方改革を進める上で問題となるのは、労働時間の縮減が、患者サービスの低下につながらない工夫であろう。そのためのキーワードは「労働生産性」であり、医師全体の総労働時間(インプット)に対するサービス提供量(アウトプット)の比率を改善してゆく必要がある。医師の働き方改革における労働生産性の位置づけを図1に示した。医療の生産性は、我が国の全産業の中でも特に低く、救急対応などでは計画的な診療サービスの提供は困難で、医療者の人数や時間などの調整が困難であることが要因として挙げられている。しかし、米国をはじめOECD主要各国における医療の生産性が改善しつつあるのに対して、我が国の医療の生産性は2000年以降、停滞気味であることも報告されており、医師の働き方改革と並行して医療の生産性を改善してゆく取り組みが重要であることへの認識が高まっている。本会においても、労働生産性に関する検討は今後の重要課題となると考えられる。
 済生会総研では、済生会病院における働き方改革が順調に進展するために必要な研究を引き続き実施してゆく予定ですので、各病院に置かれましては、働き方改革で出会った困難や好事例について、済生会総研への情報提供をぜひお願いいたします。


図1.医師の働き方改革における労働生産性の位置づけ

人材開発部門

新任看護師長研修

 令和元年度新任看護師長研修を7月24日~26日に本部で開催した。今年度は53病院から75名の新任看護師長の皆さんが参加した。
 1日目は、炭谷茂理事長の基調講演「看護に関する済生会原論~済生会の飛躍的発展をめざして~」に続いて、常陸大宮済生会病院看護部長・鈴木典子氏による「看護部長のマネジメント~いきいきと看護管理をしよう~」の講義で、常陸大宮済生会病院において鈴木氏が経験した「忘れられない患者さんとの場面」から学ばれた「私の看護観」を解説し、すばらしい臨床家としての自分に誇りをもって、いきいきと看護管理をしてほしい、と話された。

 2日目は、東京都看護協会教育部部長補佐・栗原良子氏により「人材育成」の講義が行われ、看護管理者が学んで実践し、結果を見て反省して学ぶことの繰り返しで身につけるマネジメント能力等について講演いただいた。
 また、加藤看護師社労士事務所・加藤明子氏により「労働関係法規の理解と看護管理の実務」と題して、「育児・介護関連」、「働き方改革」の関係法規、「ハラスメント」について、具体的なケーススタディを交えながら解説いただいた。
 3日目は、東京外国語大学・非常勤講師の市瀬博基氏による講義「ポジティブ・マネジメント―自ら考え、行動し、助け合う組織をつくる―」が行われ、ストレス・マネジメントとレジリエンス(回復プロセスからの教訓を得る)についての説明や「認知行動療法」の手法の一つである瞑想・呼吸法の体験、演習等、協働と対話から生まれる職場の学びと成長について有意義な学習となった。

済生会総研から ―編集後記―

 本号の研究部門では、山口研究部門長が「済生会病院医師の働き方の実態と今後の在り方に関する研究」について、紹介しました。医師調査では2,000名を超えるデータを収集することができたことは、今後のわが国の医療の在り方の検討に資する貴重なデータになると改めて思いました。同時に済生会という組織の大きさを改めて感じました。これからも、ビックデータの活用をはじめ調査等を通じ、実践現場で活用できる研究をすすめていきたいと思います。

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済生会総研の視点・論点 済生会総研 所長 炭谷 茂
第25回 ~社会保障と国際政治~

 社会保障の勉強を始めた50年以上前は、社会保障は、国際政治とは無関係であった。学生時代に読んだ古典的な名著である岡義武著「国際政治史」(岩波書店)やE・H・カ―「危機の20年」(岩波書店)、教科書だった川田侃著「国際関係概論」(東大出版会)には社会保障に関連する記述は、私の記憶によれば、なかったと思う。
 国際政治の中心テーマは、領土や権益を巡る争いと貿易であった。社会保障は、専ら国内政治の中で留まっていた。
 旧厚生省で勤務するようになったころも実際の行政は、同様だった。当時の国際関係の仕事と言えば、国際機関であるWHOやILO関係や施策の参考にするため欧米の調査などであった。省内での国際関係業務は、日陰に置かれ、「主流から離れた仕事」というイメージだった。
 当時のほとんどの幹部は、国際経験を持っていなかったため、国際的知識や感覚が身につかず、積極的に国際的業務に乗り出そうとはしなかった。これが経済官庁とあらゆる面で政策立案力・実行力で大きな遅れを取る一因になった。
 しかし、世界の歴史の変化は、有無を言わせず、社会保障分野を国際政治の渦中に引きずり込んでいった。日本の経済的地位が向上するに伴い、企業で海外に勤務する者が増加していった。
 外国に滞在するときに本人や家族の医療が大きな心配である。日本の医療保険が適用されない、医療施設が不備であるなどの課題に直面する。また、退職後に備えて日本の年金には継続加入するが、滞在国での社会保険に強制加入され、二重負担になる。このような大きな課題が表面化し、外交交渉による解決が迫られるようになった。
 欧米などでは、すでに2国間で条約を締結して解決していたが、状況の緊迫性を認識しきれない旧厚生省は、外国からの政治的プレッシャーによって追い込まれていく歴史を持つ。
 ローマクラブは、1972年に「成長の限界」という世界に衝撃を与えたリポートを発表した。人口増加、食糧危機、貧困を地球規模で考えて取り組まなければならないと述べた。社会保障を国際政治の大きなテーマに引き上げたリポートである。これ以降国際機関や外交交渉で社会保障が、扱われることが普通になった。
 先月大阪で開催されたG20会議でも高齢化問題、女性の地位向上、拡大する格差問題などが議論された。SDGsは、世界各国が力を合わせて医療、福祉、貧困、環境などの問題に取り組むものである。
 最近、済生会では、国際連携事業が本格化し、SDGsに積極的に取り組み始めている。今後ニーズは、益々増加していくだろう。本研究所もしっかりと研究面でバックアップしていきたい。

研究部門 済生会総研 所長代理 松原 了

地域包括ケアの推進について

 地域包括ケア(システム)は天から降ってくるものではない。先験的にそういうものが実体として在るのではない。済生会では、多かれ少なかれ既に行われつつあるとの認識から始まる。社会福祉・地域包括ケア課の行った調査結果によると、ほとんどの支部においてヒトのつながりとしてのネットワーク会議とその名称、地域ケアセンターなどの実施拠点があり、複合的に数個の事業が行われているところも多い。しかしながら、事業に携わっている人々が当該地域包括ケアに参画していることを明確に認識していないのではないか、そのために既に本事業を行っているとの自覚に至らないのではないかと思う。
 本事業が組織的に行われ、システム化されることによって内容がより深化され、事業に関わっているスタッフにより認識されることになる。最終目標は一人の要医療者又は要介護者に切れ目のないサービスが、漏らすことなく行き渡ることである。地域包括ケアは突き詰めると、ヒトとヒト、組織と組織とのつながりに他ならない。つながりによって情報が共有され、目的が達成される。
 システムという言葉に違和感を持つ人がいる。地域包括ケアシステムとは、参加しているスタッフが目的をもって組織的につながって、サービスが計画的に取り組まれ、効率的に行われている状態である。システム化により、より幅広く効果的な結果につながるのだ。システムが動くためには活動の拠点があり、中心となる人物が存在することが必要になる。システムには地域や施設にちなんだ名称や愛称も生まれる。システム化は目的ではなく、方便に過ぎない。拠点とは司令塔に当たるが、地域ケアセンターや病院が拠点としてふさわしいと思われるがどこであっても構わない。司令塔となるキーパーソンは、地域包括ケア連携士を期待するが、医師が関わることによりうまく行く例が多い。
地域包括ケア連携士に寄せる期待はとても大きいが、彼らが手腕を発揮するためには支部(長)、施設(長)を挙げての物理的バックアップが欠かせない。
 最後に苦言を呈するが、医療と福祉の壁が厚い、と未だによく耳にする。医療と福祉・介護の連携が必要と言われて久しく、多くの会議・協議や検討が行われてきたにもかかわらず、未だに解消されないのは嘆かわしい限りである。

人材開発部門

第43回全国済生会臨床研修指導医のためのワークショップ

 第43回全国済生会臨床研修指導医のためのワークショップ(通称:SWS)が、6月22~23日に大阪市(クロス・ウェーブ梅田)で開催され、18病院28名の指導医に厚生労働省認定の修了証が授与されました。この研修は厚生労働省が定める指導医講習会の認定を受けており、届け出済みの16時間に渡るプログラムを確実に実施する必要があります。第1回(平成18年)からの修了者は1,277名に達しています。
 持ち回りによる開催担当病院は二日市病院で、間野正衛院長とチーフタスクフォースの金原秀雄福井県済生会内科副部長を中心に、6名のタスクフォースの先生方、二日市病院のスタッフをはじめ、次回担当の栗橋病院、次々回担当の今治病院からも協力を得て、総勢31名のスタッフによってつつがなく終了することができました。また、今回は日本赤十字社より4名がタスクフォースオブザーバーとして参加し、済生会との交流も行われました。

 主なテーマは研修医が行う研修プログラムの立案で、目標の設定、研修方法(方略)、コーチング、リーダーシップ、評価といった指導に必要な要素について、KJ法を活用したグループワーク、ロールプレイやバズセッションといった手法を用いて効果的に進められました。中央病院の高木誠院長、京都大学の小西靖彦教授による講演も盛り込まれています。
 受講者の振り返りの中で、目標達成のために具体的な指標が必要で適切な目標設定が非常に重要なことが分かった、リーダーシップやモチベーションの特性について学べた、相手の意思を引き出すことが重要、といった声が多く寄せられ、臨床研修医指導のレベルアップに大きく寄与したワークショップとすることができました。

福祉施設リーダー研修

 福祉施設リーダー研修を7月1~2日、本部で開催しました。職種にかかわらず福祉施設のリーダーとなる職員を対象とし、今回が7年目で全国から23人が参加しました。
 始めに炭谷茂理事長が「済生会の福祉事業~激変する社会の期待に応える~」と題して講演しました 。福祉ニーズは増大している。障害者の社会参加が進まない、刑余者の社会復帰が難しい、被差別部落への根強い差別などの古くからの問題に加え、ホームレスの高齢化と長期化、児童虐待の急増と残虐化、独居高齢者の増加等の新しい課題も出現している。背景には家庭の弱体化、地域社会のつながりの脆弱ぜいじゃく化があり、済生会の役割の重要性は増している。今こそ、済生会の使命である生活困窮者への援助、地域医療への貢献、総合的な医療・福祉サービスの提供に「攻めの姿勢」で取り組み、「済生会ブランド」を確立したいと語りました。
 その後、外部の専門講師が2日目の終了時まで担当しました。

 働く人の多様性が増している。リーダーを担う者が環境要因を認識し、変化を踏まえて「働き方」「組織と個人の関わり方」を問い直す必要性が高まっている。そのため、リーダーシップが最重要視されている。これらを踏まえ、「自分たちが目指す済生会グループの施設のあり方」「現状における問題点」「職場のコミュニケーションを円滑にするには」についてグループごとにディスカッションし、リーダーシップの必要性を学びました。最後に難しいパズルゲームでリーダーとしての指示の出し方を実践しました。
 今年は、11月7~8日東京▽12月5~6日岡山と合わせ3回の開催となります。11月、12月開催の申し込み期限は10月25日となっていますので、早めの申し込みをお願いします。

副看護部長研修

 令和元年度副看護部長研修を7月10日~12日の3日間、本部で開催しました。49病院から51名が参加されました。

 1日目は、炭谷茂理事長が「看護に関する済生会原論~済生会の飛躍的発展を目指して~」と題して基調講演を行いました。
 続いて、滋賀県病院副院長兼看護部長・松並睦美氏が「看護部長のマネジメント」と題して、滋賀県病院の中期行動計画の取り組みと成果を事例として、看護管理者は病院経営に参画して組織活動に貢献し成果をあげられるかが重要であると講義しました。

 2日目は、本会理事・岩手医科大学看護学部長・教授・嶋森好子氏による「看護管理者のための医療安全」の講義のほか、株式会社サフィール取締役・河野秀一氏より「経営参画」をテーマに、9グループに分かれグループワーク形式で講義とワークが行われました。病院の経営や運営について、仮説を立てて戦略を立案する演習や、目標達成や問題解決のために策定した仮説を実行・検証・修正することにより効率的に最適解を導き出す思考方法を解説しました。実際の事例を使って各自で立てた仮説についてグループで話し合い、活発な意見交換の演習となりました。
 3日目は、中京大学法科大学院教授・稲葉一人氏の講義「臨床倫理の基礎 事例検討会 意思決定支援」において、医療倫理の4原則と4分割法(症例検討シート)についての解説のほか、厚生労働省の「認知症の人の意思決定支援 ガイドライン研修―認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン―」についての説明もありました。次に、前年度の「副看護部長フォローアップ研修成果発表」が、新潟病院副看護部長・松岡長子氏、和歌山病院副看護部長・河原歩氏、今治病院副看護部長・児島有希子氏の3名からあり、続いて、東京都済生会中央病院副院長兼看護部長・樋口幸子氏からフォローアップ研修で企画した副看護部長への支援について講義があり、全日程が終了しました。なお、フォローアップ研修は「成果に繋げる副看護部長の仕事」をテーマに11月開催予定としています。

済生会総研から

 梅雨が明けて本格的な夏の到来です。子供たちは夏休みを迎えて楽しんでいることでしょう。私の小学生の夏休みは、母の故郷の海、川、山で朝から夕方まで遊びまわり、楽しかった思い出があります。また、夏休みの終わる時期には宿題を山積み残してしまって、楽しんだ以上の苦しみを味わうのが恒例でした。現代の小学生も同じでしょうか。

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